Shinob | 画家:柳田しのぶ | 作品集
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みえるもの

こんにちは、Shinobです。先週、春一番が到来しましたね。これから日に日に暖かくなると思うとうれしいです。

筑波山には相変わらず一週間に一回自転車で行っています。片道30キロくらいありますけど、最近はあまり距離を感じなくなりました。道のりと自転車に慣れたからかもしれません。

今回は筑波山で出会ったこの木についてお話しします。前に筑波山麓を散策したときにみつけました。手を伸ばして空を支えている人のようにも見えるおもしろい形の木です。実はこの木のうらは、下の写真のようになっていました。道側から見たときはとても力強く感じられましたが、裏面の中は空洞で枯葉がたまっていました。木肌はざらざらとしていて樹齢を感じました。裏面からは力強さよりも生と死を感じました。そしてこの木、少し小高い所に生えているのですけど、その場所は沼だということが回り込んでみて分かりました。前に道側からしか見ていなかった時は、後ろにこんな空間が広がっていることなど気づきませんでした。角度が変わると見え方も、その印象も変わります。その中から自分の感性にしたがって風景を切り取ります。それがスケッチです。

今は筑波山を描いていますが、この木もいつか作品として描いてみたいです。

どんなものでも、一つより多くの見え方、捉え方、感じ方があります。私の作品は油彩がほとんどで平面ですから角度は付けようかありません。でも、作り手が感じたものは必ず作品に反映されると思っています。なので、私は気になるものがあるときはできる限り動き回っていろんな角度からものを見るようにしています。「みえるもの」になったら作品制作を始めます。

じゃあ筑波山は「みえるもの」になったの??と言われるかもしれません。実はまだ全部はみえていません…。今の見え方の時点で描いたらどうなるだろう、という興味の方が勝ってしまいました。こんな描き始めもあります。でもだからこそ毎週の筑波山行きはかかせません。

気をつけて行ってきます。そして描きます。

Shinob | 画家:柳田しのぶ | 作品集